コラム・オピニオン

コラム5:家事支援・育児支援サービスの利用


2015年10月

交通事故や犯罪等により突然被害者になったり、大切な人を亡くしてしまったりすると、それまで平穏だった日々は突然変わってしまいます。事故・事件により深い悲しみの中にあるにもかかわらず、警察や裁判所等での手続に対応しなければならないなど、被害者や遺族の方々の日常生活は大きく変化し、それによる精神的負担は想像を絶するものがあります。

そのような中で、被害者や遺族の方々が以前のような生活を送ることは、とても困難です。特に小さな子どもを抱えた母親などは、事故・事件のショックやその後の手続きなどに忙殺され、食事が作れなくなったり、洗濯や掃除ができなくなったりすることが少なくありません。その結果、子どもの食事が外食やコンビニに頼らざるを得なくなり、そのことに罪悪感を持ちながらも、どうすることもできないといった悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。

近くに頼れる親戚や友人がいれば、家事や育児のサポートをしてもらえるかもしれませんが、そのような人が近くにいない場合もあります。またたとえいたとしても、継続的にお願いすることに気が引けると感じる方もいるかもしれません。そのようなときは、自治体に設置されている「社会福祉協議会」に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

社会福祉協議会では、家事支援サービス、育児支援サービス、介護支援サービスなどを提供しています。自治体によりますが、1時間700~1,000円程度でサービスを受けることができます。例えば家事支援サービスであれば、食事の準備 衣類の洗濯・補修 住宅などの掃除・整理 生活必需品などの買物、薬の受取など、その支援内容は多岐に渡ります。

また、行政と民間の家事代行サービスが連携して、家事支援を行っている自治体もあります。市役所が発行している「子育て応援券」を使って、家事代行サービスやベビーシッターのサービスを割安で利用することができる制度を提供している場合もあります。

家事や育児を他人に依頼することに抵抗を感じることもあるかもしれませんが、日常生活に困難を感じているときは、行政機関の支援制度を活用することも、ひとつの方法ではないかと考えます。

社会福祉法人全国社会福祉協議会のウェブサイトです。各都道府県の社会福祉協議会の一覧が掲載されています。お近くの社会福祉協議会にお問い合わせください。


<参考>

  各都道府県の社会福祉協議会の一覧



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