トラック運送業における荷主との運賃交渉においては、原価を正確に計算しないままに取引を行なっている事業者も見受けられます。原価を把握しないままの交渉では、適正価格を収受することは難しいと思われます。
このようなことが行われている理由として、トラック運送業では、仕事の内容によって走行距離や附帯作業等が異なることに加え、車両によって燃費や積載量が異なること、軽油価格の変動や人件費の差異について考慮しなければいけないなど煩雑であり、特に、スポット取引(連絡を受けてからすぐに運送するような一時的な取引)の場合には、瞬時に原価を計算して運賃を決めることは難しいものです。しかし、原価を正確に計算しなければ、適切な運賃を収受することは困難です。
このコラムでは、トラック運送業における原価計算に関して、多様な角度から、情報を提供していきたいと考えています。
<参考資料>
全日本トラック協会の会員事業者向けには、エクセルによる原価計算シートが提供されています。 トップページにある「トラック運送業における原価計算シート」のバナーをクリックすると、ダウンロードが可能です。