トラック運送業において、なぜ原価計算が必要かということについては、いくつか理由があります。まず、原価を把握できていないと、荷主から適正な運賃・料金を収受できないことが挙げられます。運賃交渉の際にも、何を根拠にその運賃・料金が算出されているのかが不明確であれば、荷主からの値下げ要求にも適切な回答ができず、やむなく応じなければならないという結果になるでしょう。
また、原価を把握することができれば、どこに無駄があるのかを把握することが可能になります。非効率な運行をしていたり、無駄な費用を使っていたりということが明確になりますので、事業の無駄を抑えてコスト削減を図るためにも、正確な原価計算が求められます。原価をきちんと把握できていれば、急激な燃料高騰、労働力不足による賃金アップ、高速道路の利用料金のアップ等、各種費用の変化に速やかに対応することができ、経営幹部からドライバーまで、社内一丸となって原価意識を向上させることも可能になるでしょう。
このように、トラック運送業では、原価計算の必要性が指摘されているにもかかわらず、なかなか進んでいないことが現状のようです。原価計算をするメリットは大きいこともありますので、原価計算シートを活用するなどして、適正な原価を把握するとよいでしょう。